授業と演習の役割分担

入試に向けて、3年生に集団授業と演習の役割分担に関して再度確認します。



まず、受験勉強を大きく3つの段階に分けましょう。


それは、初習 → 網羅 → 見極め



この3段階です。



初習というのは、新しい単元を勉強することです。当然やったことがない問題は解くことができません。なので、まずは全体範囲を大雑把に把握します。しかし、1回勉強したら覚えられる人はほとんどいないでしょう。そこで、問題集を解いたり教科書を読んだりしながら各単元を理解していきます。これが網羅の段階です。高校受験では教材はなんでもいいと思います。(高校受験はそこまで範囲が広くないので、どの教材でもだいたい同じようなルートになります。新中問とか必修テキスト、キーワークをしっかり勉強できれば大丈夫です)


そして5教科全範囲を網羅したとします。果たしてこれで入試問題が解けるでしょうか。答えはノーだと思います。


というのも、入試問題は、網羅した問題が複数組み合わされて出題されているからです。網羅の段階では、AとBは別の問題として分類され出題されていますが、入試問題ではAとBは混ざって出題されています。さらに、AとBの問題が使われていることがわかりにくくなっています。そのため、自分でAとBが問題に使われていることを見極め、さらにAとBを正しい順序で使い答えを導く必要があるのです。


この、出題された問題に使われている解法を見極めることを、そのまま「見極め」と呼んでいます。


まず、集団授業の目的は最後の「見極め」の仕方をつかんでもらうことです。出題される問題の分析の仕方にはパターンがあります。問題を考えるとは、頭の中にある解法を一つ一つ当てはめていくことだと考えていますが、問題の組み合わせは無限ともいえるほどあります。だから、単に解法を網羅するだけではダメで、習得した解法をすぐに使えるように頭の中で整理し、問題に応じてある程度のパターンで(パターンが多すぎたら思いつかないので)切り出せるようにする必要があります。

この「見極め」には、問題を分析し解法を「判断」する力が必要になるので、マニュアル的な学習が難しいです。どうしてもその場に応じた臨機応変な判断が必要になります。(だから、偏差値70を超すのは難しいのです。)この判断を教えるには、ケーススタディ的な学習が必要になって来るので、これをぜひ授業でつかんでください。池畠が最も得意とするところだと考えています。




二つ目は、「網羅」に関するところで威力を発揮します。網羅に関しては、問題集を地道に解いていけば誰でも網羅はできます。しかし、その網羅にかかる時間は人によって大きく異なります。受験は入試までの期間が決まっている、「締め切り」のあるゲームである以上、いかに早く終わらせるかは非常に重要になってきます。


では、どうすればより速く終わるのでしょうか。


入試問題をより早く終わらせるために、次の2つができると思います。


1つ目は、情報を処理するスピードを鍛えることです。読むのが早かったり、計算が速ければ当然より速く問題集を進め、網羅することができます。ここでのポイントは、処理スピードは速くなる、ということです。限界はありますが、鍛えれば必ず速くなります。これが、中学生のうちはある程度勉強時間が重要と話す理由です。



2つ目は、類題を見抜くことです。同じような問題があったときに、同一の問題と考えることができれば当然勉強する問題数は大幅に減ります。単純に、100個覚えるべき解法があるとして、一つの解法につき平均2題、同じ問題だと理解できれば100→50と半分に減らすことができます。


この2つ目の類題を見抜けるようにするために大事なことが、原理から理解する、ということとストーリーで覚える、ということです。そして授業では類題を

減らせるように、原理から理解する、ストーリーで覚えることを重視しています。


例えば、歴史であれば、単純な1問1答問題はほぼ行いません。理由は、教科書を読めばいいからです。授業では一人では難しい全体理解を重視しています。また、濃度や密度、圧力などは公式は教えません。原理から理解することを重視しています。これも原理から覚えれば同じ問題として扱うことができ覚える量が減るからです。



つまり、集団授業の役割は、

1、残りの試験範囲を初習すること(天体と公民が残ってます)→これが木曜です

2、全範囲の復習を類題をまとめられるようにすること

3、「見極め」ができるようになること


この3つです。


入試が近づくにつれて3の役割が増えますが、2の類題を減らす授業も常に行います。(1,2年範囲は忘れていると思うので)



授業の目的を理解して、演習とバランスを保ってきましょう。